千年の構造を支えるには、あらゆる方向からくる地震や乾燥収縮の歪みをいかに回避するかという技術にかかっている。そのためにも建物が均一であることが望ましい。二千年の耐久性を誇るローマのマエケナスの講堂、中国の客家、アルベロベッロ建築などの建物はいずれも、円筒状である。構造的にはピラミッド型が最も安定しているが、実際には壁面が斜めになるので住みにくくなるのが欠点である。理想的な千年住宅を考えるときには、紙相撲で実験してみるとわかりやすい。土俵にいろいろな形の建物を置いて振動を与える。ここで、倒れにくい形状のものがいいわけだ。次に、内装を考えねばならない。千年も同じ間取りというわけにはいかない。住人の数や好みによって内部空間の構成は大きく変わる。イタリアのアルベロベッロの建築からの教訓であるが、内部空間は自由に変えられる耐火処理した木造がいい。円筒形の外壁はスーパーステンレス入りの特殊コンクリートで構成し、内部は木造にすることで、自由に間取りや空間をつくろうというものだ。円筒形の本体に載せる屋根は、円錐形かシェル構造が理想的である。この形なら、単体ではなくいくつか組み合わせることも簡単にできる。大きな円筒の周りに四つの小さな円筒をおけば広がりはさらに拡大する。また、中央にパティオのように空間を残せば、居間としてのパティオと周囲の建物の間にやわらかい繋がりがつくり込まれる。
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